アルミボートや小型ボートの船外機Q&A

 

小型船外機の選び方

船外機を購入する場合は、いくつかの注意点があります。それは;

ボートの最大出力を超えない船外機を選ぶ。
ボートのトランサム高さに適合するシャフト長さの船外機を選ぶ。

ことです。
ボートには許容出力が決められています。ボートに貼ってある銘板に記載されている最大出力に留意して下さい。
また、ボートの高さは一種類ではありません。大きさ、用途、風波条件等により特別なものを除き3種類あり、小型ボート は2種類あります。ボートの船外機取り付け部分の高さは「トランサム高さ」と呼ばれ、小型ボートに多く見られるS(ショート)トランサムと中型ボートに多いL(ロング)トランサムです。また、船外機の高さもボートと同様に、Sトランサム、Lトランサムもしくは、Sシャフト、Lシャフトと呼ばれています。ボートがトランサムSであれば、Sトランサム(シャフト)の船外機を取り付けます。当然LトランサムボートであればLトランサム船外機となります。
図のように、水位はアンチベンチレーションプレート( アンチキャビテーションプレート)と小プレートの間にあるので、プロペラ及びウォータインテーク部分には水が確実に有り、エアーを巻き込むことが無く性能・機能を充分に発揮します。また、小プレートにて、水のスプラッシュ(はねあげ)を防ぎます。

ボートに対し船外機が長い場合:速度が遅くなり、操縦性も悪くなります。また、水のスプラッシュ発生や浅瀬走行時のギヤケース、プロペラ等の足回りの損 傷につながります。
ボートに対し船外機が短い場合:プロペラはベンチレーション/ キャビテーションを発生し、過回転となり異常振動も伴います。更に、ウォータインテークよりエアーを吸い込むことにより、冷却不足となりオーバヒートを起こしエンジンの焼き付きに到ります。

小型船外機のお取り扱い

1.船外機の取り付け
○ 船外機位置は船幅の中央とします。もし、左右にずれて取り付けると直進安定性やコーナリング操縦性を損なうことになります。
○ クランプスクリュウをしっかり締め付けます。クランプスクリュウにはハンドルが取付けられていますので、これを握って締め付けます。

2.始動前の点検
○ 燃料タンクに燃料が入っているか
○ 燃料タンクのエアベントスクリュウ(空気抜き)を緩めたか
○ 燃料コックを開けたか(インテグラルタンク)、燃料コネクターをしっかり結合したか
○ セパレートタンクタイプは、初始動時に燃料の圧送(プライミング)をします。プライマバルブの握りと離しを繰り返し、このバルブが硬くなったらオーケイです。○ 燃料漏れはないか
○ シフトレバーはニュートラルになっているか
○ 緊急停止コードを身体に取り付けたか
○ スロットルを「スタート」位置にしたか
○ チョークを引いたか

3.手動式リコイルスタータロープの引き方

○ スタータハンドルを引っかかりの感じる所までゆっくり引き、重くなった所から一気に力強く引きます。
○ エンジン始動までリコイリングを操り返しますが、10回程度引いても始動しない時は何か他に原因があると思われます。
※注意
よく見受けられる悪い引き方は、スタータハンドルをガーンと最初から一気に引っ張ることです。この場合リコイルスタータ部品に大きな衝撃が加わり、部品の寿命を著しく縮めます。
陸がけはやらない。
安心を得るために、ボートを水上に浮かべる前にエンジン音を聞いてみたいものです、しかし、この水無し運転はエンジンの焼き付けという致命傷を引き起こします。
エンジンの冷却水系のポンプインペラはゴム製であり、水がない条件下での運転すると、即、インペラの異常発熱による損傷が発生します。出港時には冷却水が出ていたとしても、運転するにつれインペラのダメージが進行し、エンジンのオーバヒート、焼き付けとなるわけです。

4.フォワード(前進)、リバース(後進)操作

○フォワードへの操作は、スロットルグリップ(レバー)を最低限の状態とし、エンジン回転が最低速に落としてから、素早くシフトレバーをリバース側にシフトします。
※注意
エンジンの回転数が高い状態でのシフト操作は、急加減速による同乗者の転倒やギヤ、クラッチ等の損傷の恐れがあります。


5.トリム調整

ボートのトランサムボート角度は12度が一般的ですが、異なるものもあります。船外機の性能を十分に発揮させるには、全速走行時にアンチベンチレーション(アンチキャビテーション)プレートが水平になることです。この調整はスラストロッドの位置を変えることにより、簡単にできます。
ではトリムの適性、不適性により、ボートがどのような状態になるか考えてみましょう。

○ トリムが適性の場合
走行中ボートはほぼ水平状態にあり、左右の操舵力もほぼ均等です。
○ トリム不適正
トリムアップのし過ぎ
走行中、へさきが上がり、ふられます。プロペラが右回転(ほとんどの船外機が該当)の船外機にあっては、ボートが左旋回ぎみとなります。したがって、右旋回操舵力が重くなります。この場合はスラストロッドを下方に移動します。
○ トリム不適正
トリムダウンのし過ぎ
走行中へさきが沈み、波をかぶりやすくなります。トリムアップし過ぎとは逆に、ボートが右旋回ぎみとなり、左旋回操舵力が重くなります。この場合はスラストロッドを上方に移動します。

船外機の慣らし運転
慣らし運転の主な目的は、ピストンとシリンダに奇麗で均一な当たりを出すためです。この慣らし運転を不十分のまま高速走行すると、ピストンとシリンダに油膜切れを起こし、ピストンの立て傷発生や下手をすると焼き付きに到ることがあります。
慣らし方法やその時間はメーカによって、また形式によって異なるので、その取扱い説明書に従います。特にガソリンとエンジンオイルの混合比は、慣らし終了後の通常運転よりオイル量を多くするように指定します。
慣らし運転では、エンジンを始動したら、直ちに検水口より冷却水が排出されていることを確認します。また、運転中もときおり同様に確認します。
走行中にウォータインテークやプロペラにプラスチックシートや海草等が付着している場合があります。この時は直ちにニュートラルにシフトし、エンジン停止後船外機をチトルアップし、付着物を取り除きます。
陸上で冷却水の給水なくエンジンの始動は厳禁です

船外機は海など外からの水を冷却水として利用しています。冷却水はロワー側面にある冷却水取り入れ口からウォーターポンプで汲み上げられ、エンジンの周りを循環させた後、排気ガスと一緒にプロペラの中央の穴から海中に戻されます。

下図のように冷却水を汲み上げるウォーターポンプは、船外機の中央のくびれた部分の中にあり、ドライブシャフトと一緒に回ります。ウォーターポンプ内にはインペラというゴム製の水車ようなものが入っています。インペラが回ることで、ポンプケースとのすき間に冷却水を吸い込み、同時にエンジン側に送り出しています。

上記のような理由により陸上で冷却水循環が無い状態でエンジンを回すとインペラが焼き切れてしまいます。これにより、充分な量の冷却水を循環できなくなり、エンジンはオーバーヒート状態になりひどい場合は焼き付きを起こすこともあります。

陸上でエンジン始動の方法は?(エンジンの水洗作業)

船外機の大敵は「錆」です。錆を防ぐには、海中で船外機に付いた塩分を取り除くことが重要です。
必ず、船外機外部・冷却経路を真水で洗いましょう。

冷却経路の水洗い方法
(1) 船外機を取り付け台に、ほぼ垂直に取り付けます。
(2) ニュートラルにします。
(3) プロペラ及び関連部品を取り外します
(4) 冷却水取入れ口にフラッシングアタッチメントを取り付けます。
(5) フラッシングアタッチメントに水道ホースを差し込みます。
(6) 水道水を流します。
(7) エンジンを始動します。
(8) 2〜3分低速運転し、エンジンを停止します。排気ガスは一酸化炭素を含み、中毒を引き起こす危険があります。換気の悪い室内等での運転はしないこと。

洗い終えたらしっかり乾燥させ水分を取り除き防錆剤を吹き付けます。

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船外機のエンジンがかからない場合の原因

エンジンがかからない場合の原因は主に下記のようなものがあります。もし、かからない場合は一つづつ下記の原因をチェックしてみましょう。

混合気に関わる原因

○ 燃料タンクの燃料が空
○ 燃料のプライミングをしていない、もしくは不完全
○ 燃料系統のコネクター等の連結不完全による空気吸い込み
○ パイプ類のねじれ、穴明き
○ エアベントの明け忘れ
○ 燃料フィルタ・ポンプ、キャブレタのゴミ詰まり
○ 悪い・古いガソリンの使用
○ キャブレタ調整不良
○ 燃料の飲み過ぎ
○ スロットルグリップ(レバー)がスタート位置ではない

圧縮に関わる原因

○ シリンダヘッドガスケット吹き抜け等による圧縮漏れ

火花に関わる原因

○ スパークプラグの漏れ、汚損やブリッジ
○ ストップスイッチの短絡
○ エマージェンシーストップスイッチのロックプレート入れ忘れ
○ 点火時期不良
接続コードの結合不良、アース不良

 

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