船外機のスパークプラグ交換時期
船外機では特にスパークプラグが酷使されています。シリンダー内はガソリンの混合気の他に水なども入ることもあり、また、乗る季節や時間が限定されるためススなどのカーボンが付着しやすいのです。そのため、スパークプラグの交換時期は最低1年に1度交換されることをオススメ致します。
また、2サイクルの場合はかぶりやすいためそれ以上の交換も必要になることがあります。

予防交換時期

新品プラグ

プラグの経済寿命=1年

1年を過ぎると、燃費・馬力・エンジン寿命に影響を与えます。

燃費向上

始動性向上

加速性向上


  焼け具合 エンジンの状態 不調原因 対  策

 

ガイシ脚部はキツネ色又は灰白色をしており、電極の消耗もわずかである。

エンジンは始動、高速走行、低速走行いずれも快調。

※注
(無鉛ガソリン使用時の焼け具合)
無鉛ガソリン使用の場合、有鉛ガソリンに比べ、ガイシは白色、もしくは灰色になることが多いが、焼け具合としては正常である。

 




ガイシ脚部および電極部が乾いたカーボンで、おおわれている。

エンジンの始動が悪くなり低速での回転が不安定で、ついにはエンジンストップを起こすようになり、加速も悪くなる。


プラグが原因するエンジントラブルの80%近くが「くすぶり」「湿り」によるものである。

(1)熱価の不適正
(2)長時間のアイドリングや低速運転
(3)混合気の過濃
(4)エアークリーナーの目詰まり
(5)チョークの乱用
(6)点火時期の遅れ
(1)〜(2)は、一般低熱価のプラグの使用または、アイドリングの調整。
(3)以下は完全な調整の実施。
湿





ガイシ脚部や電極部はガソリンオイルで濡れていて黒光りをしている。
(1)ピストンリングやバルブガイドの磨耗などによるオイル上がり
(2)混合気の濃すぎ
(1)新しいエンジンやオーバーホール直後のエンジンでは、ならし運転中オイルコントロールが正常になるまではプラグが濡れることがあるが、プラグを清掃して再び取り付けるだけでよい。これ以外の場合は根本的にはエンジンオーバーホールが必要。
(2)気化器の調整










ガイシ脚部は漂白されたように真っ白に焼け電極も焼けて白色あるいは“なす色”を呈している。電極の消耗も早い。
連続高速運転、長時間の登坂、多くの荷物を積載した時などエンジンの力がなくなり、スピードが出ないようになる。 (1)プラグ熱価の不適正
(2)低オクタン価ガソリンの使用
(3)点火時期の進みすぎ
(4)冷却の不十分
(5)混合気の薄すぎ
(1)一段高熱価のプラグを使用
(2)高オクタン価ガソリンの使用
(3)点火時期の調整
(4)冷却系統の点検
(5)気化器の調整

プラグの取扱い方法

プラグの取扱い方法

点検

使用するに従って、プラグの発火部は燃料、オイルの燃えカスなどの付着で汚れ、電極は摩耗し、ギャップが広がり性能が低下しますから、1年に1回程度点検するのがエンジンを快調に保つ秘訣です。

取り付け・取り外しの注意

プラグ6角部に適合した正しいレンチで、ガイシを痛めないよう注意が必要です。
そのとき、プラグ外側の油汚れなどがエンジン内部に入らないようにして下さい。
取り付けの場合、エンジンの取付座をきれいにし、ガスケットの存在をたしかめてからプラグを取付座に取り付けます。
その際、プラグは垂直にし、手で固くなるまでねじ込みます。
そして、プラグレンチで、1/4〜1/2回転(再使用の場合は1/5〜1/4回転)確実に締めて下さい。
上記の回転数以上の締め付けは、エンジン(特にアルミエンジン)を傷つけ、ひいては、ネジ切れ事故を起こすことになりますのでご注意下さい。

スパークプラグQ&A

Q:私の船外機の品番がわからないのですが?

A:ヤマハ、ホンダ、トーハツ、日産、スズキの対応表は⇒⇒⇒   
Q:プラグの品番の意味について教えて下さい?

A:品番には下記のような意味があります。
B R 5 E S -11

〈ねじ径〉
A…18mm
B…14mm
C…10mm
D…12mm
E…8mm

BC…14mm
DC…12mm
(六角対辺16.0mm)

R:レジスタータイプ 〈熱価〉
2
4
5
6
7
8
9
10
11
12

焼け型

冷え型

〈ねじ長〉
E:19.0mm
H:12.7mm
L:11.2mm
EH:半ねじ型
(ねじ長12.7mm/全長19.0mm)
F:コニカルシート型
など
S:標準タイプ
Y:グリーンプラグ
V:Vプラグ
VX:VXプラグ
K:外側2極電極
T:外側3極電極
Q:外側4極電極
(ロータリー用)など
〈火花ギャップ〉
-9:0.9mm
-11:1.1mm
-13:1.3mm
........................
-L:中間熱価
-N:外側電極の寸法等が異なっています

Q:レジスタープラグとはどんなプラグですか?

A:スパーグ時に発生する点火ノイズを抑えるため、5KΩのセラミック抵抗体を内蔵したプラグです。

最近の船外機でもレジスタープラグキャップに加え、レジスタープラグが多く装着されるようになってきています。
それは、エンジンをコントロールする電子機器や、センサーなどの、多くのエレクトロニクス製品が搭載されてきているために、抵抗体を内蔵していないノンレジスタープラグでは、電波ノイズによる誤作動や雑音の混入の恐れがあるからです。

下図(スパーク時の電流波形)はスパークプラグで点火火花が飛んだ瞬間、点火系に流れる電流の変化を表しています。火花が飛んだ直後には瞬間的に大きな電流変化が生じるため、障害電波が発生するのです。

この他、よくお客様から「レジスタープラグ装着艇にノンレジスタープラグを装着しても良いですか?」との、ご質問がありますが、エンジン等の様々なシステムに悪影響をおよぼす恐れがあるのでお薦めできません。ノンレジスタープラグの方が廉価だからといって装着しないで下さいね。
Q:プラグがくすぶる、かぶるとはどういう状況ですか?
A:プラグがくすぶるとは、不完全燃焼を起こして発生したカーボンが発火部に付着して絶縁性が低下した状態をいいます。プラグかぶりとは、始動に失敗した場合などに、ガソリンなどが発火部に液状で付着した場合をいいます。また、これら2つの現象が同時に起きる場合があります。
くすぶり汚損状態
かぶり汚損状態
Q:プラグがくすぶったりかぶったりしたらどうしたら良いですか?

A-1.くすぶっていてもエンジンがかかった場合
エンジンがかかり高速走行することにより、プラグの温度が自己清浄温度以上に上がれば、カーボンを焼き切れるので、プラグは正常に戻ります。


A-2.エンジンがかからない場合
残念ですが、プラグを交換するしかありません。付着したカーボンは「プラグクリーナー」以外ではほとんど落とすことができません。

●そもそもプラグがくすぶったりかぶったりする原因は下のようなものがあり、この原因を取り除かないと再発する可能性があります。プラグの後ろに潜むエンジン側の不調や走り方に目を向けて見て下さい。

ヤマハ、ホンダ、トーハツ、日産、スズキの対応表は⇒⇒⇒ 

 

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